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私は30年来のスパイクマニアである。
小さい子供が、大好きな電車やクルマの名前をソラで言えるように、
サッカースパイクの一部を見るだけで、そのシューズの名称、
生産国、価格などが直ぐに出てくる。少なくともそんな程度には知識として
備わっていると自負していた。
店長HIDEにあるスパイクを見て、
「新しいプレデターって、ついにパワースワーブまでベトナム製になっちゃった
の?」。
などと言ってしまった。
新しいアブソリオンを、パワースワープと思い込んで勘違いしてた訳だが、
中敷きとソールの違いを確認しなければ、その違いを認識出来ないほど、
両者は識別出来ないほどに外観は近くなっている。
マニアの時代のマニックや、パルスの時代のパルサドなどと比べても、
アブソリオンの質感は格段に上がっている。言い訳ではないけど、
ピッチ上で見て、違いが判る人がいたら、その人はサッカーショップを開けると思
う。
プレデターシリーズには3つのラインが有る。
トップモデルのパワースワープは、中敷きにタングステン入りの中敷きを装備し、
もうひとつ軽量のタングステンなしの中敷きがついてくる。
基本カンガルーアッパーで中足部にULT-Kレザーを使っている。生産国はインドネシ
ア。
中間のアブソリオンは、アブソリオンに付いてるプレデターラバーを同じく備え、
アッパーはULT-Kレザー。中敷きは最初から1枚だけで、生産国はベトナム。
普及部門を担当するのが、アブソラドで、プレデターラバーは付かず、アッパーは人
工皮革。
生産国は中国である。
アブソリオンは価格面で、常識的な範疇に有り、プレデターラバーを体験出来る廉価
版である。
私がアブソリオンをパワースワープと間違えたのはアッパーの質感で、
ULT-Kレザーとカンガルーレザーの違いを識別出来なかった処にある。
それほどULT-Kレザーのクオリテイは高く、もしサッカーシューズソムリエとかの試
験が有ったら、
全く識別不可能なレベルまで革なめしの技術は進化している。
私はきっと受からないだろうなぁ。
加えて新しいアブソリオンは、かなり全体がゆったりと作られており、
今までadidasに足を通そうと思わなかったタイプの足形でも対応出来るようになっ
た。
1万ちょっとでプレデターが買える時代になったとの感慨も有るが、
価格以上に存在を持っているモデルだと言える。
これでロングシュート蹴りたい気分を抑えられない。
Text 髭